おおなみ会展示会(横須賀開催)に参加、それと模型屋巡り

2024年2月23,24日に横須賀市文化会館で開催された、おおなみ会様の第16回模型展に作品を出展しました。所属しているサークルの先輩の繋がりに縋ってゲスト参加枠(なんと入り口近くの一等地!!)に作品を置かせていただく機会をいただきました。

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海上自衛隊」が今回のテーマでした。昨年に製作したすがしま型掃海艇「うくしま」とE級駆逐艦エレクトラ」に加えて、この展示会に向けて製作したあさかぜ型護衛艦「あさかぜ」を展示しました。あさかぜ型のブログ記事は近日公開します。

以下では展示されていた作品の中で気になったものをピックアップしてご紹介します。まずは同じテーブルに展示されていたものから。

アルセノ様の作品

続いてヒラ様の4隻の給油艦

続いて由良之助様の「名取」と「江風」

ぐうすか様の明治時代の艦艇

1/72 二等輸送艦

直接、製作者様から制作秘話を聞かせていただきました。1/72スケールで睦月型駆逐艦などを製作されていたブログを存じ上げていましたが、1/700なら手に収まる二等輸送艦も1/72で実際に目にすると圧倒される大きさです。

会員様による警備艦/補助艦

補助艦艇の好きな自分としては、これだけの数の補助艦艇を揃って目にできるだけで大満足でした。大手模型メーカーからキットの出ている、はやぶさ型やすがしま型も(あえて?)他の作品と同じメーカーのキットで統一されていました。

製作者様ご自身が乗艦されたいた艦艇

展示されていた艦艇の中でモデリウムからキット化の予定が発表されているのは、多用途支援艦ひうち型(前期/後期)と輸送艇1号型、潜水艦救難艦「ちよだ」くらいでしょうか。輸送艇1号はすでに退役してしまいましたが、好きな補助艦艇の一つなのでぜひキット化して欲しいところです。

1/350や1/450の護衛艦

会員の方々がビッグスケールの護衛艦というテーマで製作されたようです。キットの状態から手を加えていたり、電飾されていたりとそれぞれのこだわりを感じます。

1/200 やまぐも型護衛艦「あさぐも」

やまぐも型は自分も好きな護衛艦の一つです。こちらはニチモから発売されていた1/200のフルハルキットです。1/700ではピットロードから発売されていましたが、今や中古市場でしか流通していません。やまぐも/みねぐも型の再販はないんでしょうか…

ミンダナオ会様による、いずも型護衛艦や海外艦艇など

いずも型の艦首形状や艦橋周辺の変化がよくわかります。共存しないはずの状態を立体物として簡単に比較できるのは模型ならではです。

自分には馴染みの少ないフランス海軍艦艇ですが、ミサイル駆逐艦は兵装の配置や前後の煙突がマストと一体化している部分で何となくたかつき型護衛艦に艦影が近いような印象を受けました。

艦艇・航空機のジオラマなど

自分のように机の上でチマチマ作るような大きさやバリエーションではない模型作品の数々でした。

まとめ

今回はご縁があり、展示会にご招待していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。テーマは海上自衛隊ということでしたが会員様、ゲスト参加の方々思い思いの作品が展示されておりました。作品の前に椅子を置いて何時間も眺めていたい作品ばかりで、製作意欲が刺激されました。

 

模型屋巡り

さて、展示会で購買意欲を刺激されたところで模型屋巡りでございます。

護衛艦のキットと択捉型海防艦の船体パーツ

「ちくご」は由良之助様にお譲りいただきました。実は今回展示した「あさかぜ」も前回お会いした際に由良之助様にいただいたキットでした。ちくご型はあさかぜ型以上に個艦の違いが多い艦ですのでどの艦にするか迷いますし、その違いをちゃんと再現できるかどうかプレッシャーをひしひしと感じています。

ピットロード陽炎型Oランナーのジャンクと色々

ノースポートで安売りされているジャンクランナーを購入しました。左写真の最新の陽炎型に含まれるランナーで、収録されている通風筒やリール、ダビット、錨などはかなり利用価値の高いクオリティーです。錨は最新の海上自衛隊装備セットに収録されているものと同程度のクオリティー(あるいは少し勝るレベル)だったので、今回「あさかぜ」に使用しました。また、リールは同じ大きさのものは一つづつしか入っていないので、同じ大きさを複数個用意したい場合は注意が必要です。

漣工房の駆逐艦用パーツ、ピットロードの護衛艦用PEなど

やまぐも型のエッチングパーツは長年探していたので、中古模型屋で発見した時は目を疑いました。ファインモールドの真鍮帯金も今回の製作で非常に役立ちましたので、幅広のバージョンも購入しました。

タカラトミー(原型はピットロード製)の1/700 おやしお(初代)、はやしお型

そもそも、あさかぜ型を作ろうと思ったきっかけは「おやしお(初代)」と「はたかぜ(初代)」が並んでいる写真を見たことでした。キット化していない「おやしお(初代)」を求めてヤフオクやらメルカリやらを探しましたが、かなり人気の食玩のようで見つかりませんでした。ですが、「あさかぜ」を作った後に中古模型屋で発見しました。右は潜望鏡などのパーツを取り付けずに並べてみた写真です。

これらをどうにかしてWL化したいところです。レジン複製だと原型を加工したり汚したりすることになってしまうため、現段階では型取りゲージで断面を取ってプラ板とパテで複製という工程を考えていますが、果たしてできるのか…

世界の艦船』のバックナンバー

護衛艦の個艦レベルの違いを研究する中で、自衛艦・支援船に対する理解が不足していると感じていたので、世界の艦船の海自関連のバックナンバーを購入しました。気になっている特集号や別冊もまだまだあるので買い揃えたいところですが、普通の書店や古本屋で求めているものを見つけるのは難しいのが現状です。今回もレオナルドLGの本棚前に一時間ぐらい居座って物色しました。艦艇関連の書籍を扱っているオススメの書店や古本屋などをコメントやTwitterなどで教えていただけると幸いです。

横須賀代匠記(23年9月)

9月26日に横須賀に行ってきました。東京在住の友人と品川駅で落ち合った後にJR横須賀線横須賀駅に向かいました。平日昼前の空いた電車に一時間ほど揺られて、無事に到着しました。この日は天気と出入港の日程に恵まれ、素晴らしい撮影日和となりました。

今回は私の希望で軍港めぐりクルーズに乗ってみようと、友人の希望で猿島に行こうということになっており、駅到着後そそくさと軍港めぐりの当日券を購入しにチケット販売所に向かいました。ここで以前からツイッターで話題となっていた「YOKOSUKA 軍港めぐり 100倍楽しむ FUNBOOK」を購入しました。ピットロードが画像提供をしているということもあり、艦型の識別表などが載っているのではないかと期待していましたが、内容は資料というよりもビジュアルで紹介するガイドブックに近いものでした。支援船は曳船58号型が少し紹介されているのみだったので、少し残念でした。

この日は逸見岸壁に「DDH-183 いずも」、吉倉桟橋に「DDG-174 きりしま」、「DD-111 おおなみ」、「FFM-2 くまの」、楠ヶ浦地区の岸壁にそうりゅう型潜水艦、長浦地区に「LC-2002 輸送艇2号」、船越地区に「DD-153 ゆうぎり」、「AGS-5106 しょうなん」、比与宇地区におやしお型潜水艦の9隻の自衛艦を見ることができました。

米海軍の艦艇はミニッツ級航空母艦「CVN-76 ロナルド・レーガン」、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦「CG-54 アンティータム」、アーレイバーク級ミサイル駆逐艦「DDG-65 ベンフォールド」「DDG-76 ヒギンズ」「DDG-83 ハワード」と沖止めの「DDG-113 ジョン・フィン」、インディペンデンス級沿海域戦闘艦「LCS-24 オークランド」、ブルー・リッジ級揚陸指揮艦「LCC-19 ブルー・リッジ」、沖止めのルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦「T-AKE-9 マシュー・ペリー」の9隻でした。

数週間前に入港して話題となった米海軍の無人水上艦「レンジャー」も見ることができました。同時に入港した「マリナー」は出港していたようです。

艦艇以外の気になった船としては、対岸のJAMSTECの岸壁に海底広域研究船「かいめい」と東北海洋生態系調査研究船「新青丸」が、長浦港の岸壁に東京海洋大学の「青鷹丸」が接岸していました。

軍港めぐりの船から降りた後はドブ板通りでヨコスカバーガーを食し、横須賀新港の方へ歩いていきました。戦艦三笠の横に猿島行きの船着き場があり、軍港めぐりの半券を使って通常料金の半額で切符を購入しました。猿島からは沖止めの2隻を双眼鏡越しに見ることができました。

一時間おきにしか便がなかったため、猿島から戻ってきた頃にはすでに16時を回っていましたが、横須賀の街を横断するように田浦駅へ歩きながら高台に上るなどして、日が沈むまで港内の艦船の撮影をしました。

これまで独りで横須賀を訪れたときは、田浦駅で降りて写真を撮りながらヴェルニー公園まで歩いて時間切れになっていたので、まともな観光地にはほとんど行ったことがありませんでした。今回は貴重な経験になりました。

むらさめ型護衛艦の識別点1 第二煙突右側面周辺

はじめに

7月8日に佐世保地方隊創設70周年記念の一般公開がありました。その際に、倉島岸壁にむらさめ型護衛艦の「きりさめ」と「あけぼの」が並ぶように接岸していました。

同じようなアングルで撮影した写真を注意深く観察すると、同じむらさめ型であっても甲板構造物に僅かな違いがあることがわかりました。また、むらさめ型9隻を同じように調べたところ、差異の大きな傾向は建造された造船所によることがわかりました。

第二煙突の右側面周辺の各艦による違いをまとめると以下の表のようになります。

表中で用いた名称

建造された造船所は、

ト:石川島播磨重工業東京第1工場

タ:三井造船玉野事業所

ウ:住友重機械追浜造船所浦賀工場

ナ:三菱重工業長崎造船所

マ:日立造船舞鶴工場

のように対応しています。

垂直梯子はモンキーラッタル、作業用足場はジャッキステーとも呼ばれます。表中の衛星通信アンテナ下というのは、以前まではOE-82C衛星通信アンテナを装備していた第二煙突前の張り出しの下の部分のことを指しています。

大通気口、小通気口の詳細は現在調査中ですが、それぞれパターンが2種類ずつ存在することが分かりました。丸通気口は確認できる艦と確認できない艦がありました。NORQ-1スーパーバード衛星通信アンテナは右舷の第二煙突の側面と左舷の格納庫横に後から装備されたアンテナです。艦によってアンテナから延びる配線にも差異がありましたが、今回の側面図では省略しています。溶接跡は後方の洋上給油装置などが格納された凹部に差し掛かる部分で差異が確認できました。

側面図と解説

以下では、各艦ごとに作成した側面図を表中の※印の内容を中心に解説を加えて紹介します。側面図で細い実線は溶接跡とアンテナ基部の位置に、2本の並んだ点線は垂直梯子に、破線は作業用足場に用いています。また煙突を取り巻くように取り付けられた作業用足場は、太い実線から外側にはみ出すように描画しています。

1番艦「DD-101 むらさめ」

「むらさめ」の特徴は、洋上給油装置などを格納した凹部の高さが※4の付してある「むらさめ」、「はるさめ」を除いた同型艦と比べて低くなっている点です。溶接跡の高さがそのまま凹部の高さになっています。大通気口は十字に区切られており、その中が2列という構成になっています。図の空白部分には細かい水平方向の羽板が取り付けられています。

2番艦「DD-102 はるさめ」

「はるさめ」は「むらさめ」と同じように凹部の高さが低くなっています。また丸通気口が存在せず、その場所には垂直梯子が設置してあります。それに合わせるようにNORQ-1アンテナの台座は、艦首方向にやや短くなっています。

3番艦「DD-103 ゆうだち」

「ゆうだち」以降に建造されたむらさめ型は、前の2隻とは違い凹部の高さが高くなっています。また、大通気口は前の2隻のように十字ではなく3列の構成になっています。※6の付した2隻と※7の付した2隻の違いは、NORQ-1アンテナ横の垂直梯子が下の台座の手摺の内側に入っているか否かです。写真で見ると、※7の付した2隻は完全に内側に入っており、※6の付した2隻は完全には内側に入っていないように見えました。それ以外の特徴は「むらさめ」と同様です。

4番艦「DD-104 きりさめ」

「きりさめ」を含めた三菱重工業長崎造船所で建造された3隻のむらさめ型は、小通気口の高さがやや低いことが特徴です。それ以外にも溶接跡が凹部に差し掛かるところで凹部の上を沿うように折れ曲がっている点も特徴です。煙突側面中央の通気口とNORQ-1アンテナの間の垂直梯子は明らかに台座の手摺の外側に設置してありました。

5番艦「DD-105 いなづま」

「 いなづま」の梯子や足場の構成は「きりさめ」と同様です。しかし、垂直梯子の形状が他の同型艦には見られないものであり、壁にステップが個別についているのではなく、一列のステップが横ですべてつながった状態のものが壁に取り付けてあります。下図がそのイメージ図です。

6番艦「DD-106 さみだれ

さみだれ」は、同じ石川島播磨重工業東京第1工場で建造された2隻と大通気口の種類が異なります。さらに詳しく見ると、ほかの同型艦の3列のものよりも羽板の数が多くなっています。また※5の付した「さみだれ」と「あけぼの」は溶接跡が凹部の直前で終わっています。

7番艦「DD-107 いかづち」

「いかづち」の特徴は、煙突の作業用足場と垂直梯子が他と比べて全体的に低い位置に取り付けられていることです。また、垂直梯子が設置しているわけではありませんが、丸通気口の存在は確認できませんでした。

8番艦「DD-108 あけぼの」

「あけぼの」はむらさめ型で唯一、NORQ-1アンテナの取り付け位置が艦尾方向にずれています。また「あけぼの」と「ありあけ」は煙突にほとんど作業用足場や垂直梯子を装備していません。

9番艦「DD-109 ありあけ」

「 ありあけ」の傾向は、同じ三菱重工業長崎造船所で建造された「きりさめ」や「いなづま」と同様ですが、煙突にはNORQ-1アンテナ用と思われる垂直梯子しか装備していません。

最後に

以上の9隻をまとめると、遠距離からでも外見の特徴が分かりやすいのは小通気口が下にある三菱重工業長崎造船所で建造された「きりさめ」、「いなづま」、「ありあけ」のグループと言えます。さらに、一覧にすると最初の2隻の凹部の高さの低さは、運用上の利便のために3番艦以降で改良されたのではないかと推測することができます。また、むらさめ型以降の護衛艦の煙突に作業用足場や垂直梯子がほとんど装備されていないことを考えると、むらさめ型はそれらの護衛艦への装備の過渡期にあたると言えそうです。

今回の記事の執筆は、現用艦艇の詳細な資料があまり流通していないという危機感から始まりました。残されている写真や記録が少ない旧海軍艦艇と比べると現用艦艇は調査のハードルが低いため、モデラーの中でもいわゆる考証といったようなジャンルが盛んではない印象があります。しかし、現在運用されている艦艇が退役した以降に情報を収集しようとしても、それが容易ではないのは既に退役した自衛艦を考えれば想像に難くありません。ところが、今回のように合計9隻の状況を集計すると意外にも構造物の違いが「第二煙突の右側面周辺」という艦の一部分にでさえ存在することが分かりました。さらに調査を進めて情報を分かり易いかたちで集計しておくことで、将来のマニアやモデラーが必要とする情報を残すことができると考えています。

現用艦艇は調査のハードルが低いと述べましたが、今回のように作業用足場や垂直梯子の設置位置や形状の判断は詳細な写真がないと困難です。また艦艇の側面の写真は、注目される艦橋周辺とは違い、個人のSNSや広報に写真が出回りにくい傾向があります。実際に自分で写真を撮りに行くことが最善ですが、日本全国の一般公開に赴くことは現実的ではありません。今回写真が入手できなかった艦の情報は、海上自衛隊公式の広報写真や艦船の映像をyoutubeに投稿している方の動画を主に参考にしました。特にbinmeiという方の動画は側面構造物まで高画質で撮影されており、非常に参考になりました。

今後はむらさめ型の他の部分の調査を進めるとともに、ほかの自衛艦や支援船の調査も進めていこうと考えています。

1/700 E級駆逐艦 「エレクトラ」の製作

1か月ほど前からタミヤの1/700 E級駆逐艦エレクトラ」を作りはじめました。今回は甲板の塗分けやマストの自作の練習に重点を置いたため、船体は素組みで作りました。

・構造物側面のヒケの修正

・舷窓、艦橋窓の穴あけ

・マストを0.4mm真鍮線と0.2mmピアノ線で自作

・前後の旗竿を0.2mmピアノ線に交換

が主な追加の工作です。以下、製作途中の写真です。

キットを構成するランナーです。比較的新しいキットなだけあってメリハリのあるディテールです。

船体を組み立てました。艦底のパーツが若干大きく、側面のモールドを消さないようにヤスリがけするのに苦労しましたが、違和感ない程度には仕上がりました。

パーツ分割の都合上、艦橋のパーツは中心に分割線が入ってしまうので、丁寧に消しました。写真は甲板色(XF-53)を塗装後に側面の色(XF-25)を吹くためにマスキングをしているところです。

塗装後の仮組み立ての写真です。砲塔周辺は特に細かい色の塗分けになっています。メインの塗装はエアブラシですがはみ出しの修正はタミヤの「面相筆・極細」で行っています。

砲楯の側面に気になるレベルのヒケがあったのでパテで埋めて整形しました。

煙突の白線は軽く調べてみて情報がなかったので今回は雰囲気重視で2本線にしてみました。少し歪んでしまいましたが、遠目に見れば気づかない程度です。その他の塗装はキットの指示書通りにタミヤカラーで塗装しました。

以下、完成写真です。

最後は実際の写真にありそうな構図で撮影してみました。これは艦船モデラーの中で意見の分かれる部分ですが、改めて写真と比較して見ると手摺のエッチングパーツは少しオーバースケールな(あるいは、主張が強すぎる)表現なのではないかと気づかされます。今回は基本的な工作を練習するために船体は素組みで仕上げようと最初から決めていたので約1か月で完成しましたが、実艦の写真と見比べると気になる部分は多数ありました。イギリスの駆逐艦は他のメーカーからもキットが発売されているので、今後も挑戦していきたいと思います。

1/700 すがしま型掃海艇「うくしま」の製作

3か月ほど前からピットロードの 1/700 すがしま型掃海艇 を作り始めました。このプラモデルは、汎用護衛艦のキットに付属しているものが2隻セットとして別に販売されているものです。今回は下関基地隊所属、第34掃海隊のMSC-686「うくしま」として製作しました。

下写真は舞鶴基地で撮影した退役前のMSC-681「すがしま」です。

次のような追加の工作を行いました。

  • 船体側面のラインをプラ板で再現
  • 艇番号付近の船体形状をパテで修正
  • 汎用エッチングパーツの手摺や梯子を設置
  • 救命浮環の設置
  • 機銃周辺、ブリッジ周辺のディテールアップ
  • 水密扉を増やしてエッチングパーツに交換
  • 窓の位置を修正
  • ブリッジ横の支柱を0.2mmピアノ線で再現
  • 両舷の膨張式救命筏を2つづつから1つづつに変更
  • 両舷にあった曳航装置を右舷のみに変更
  • 煙突の自作
  • アンテナ類周辺のディテールアップ
  • 搭載艇の台座を自作
  • 後甲板に降りる傾斜梯子周辺を自作
  • 艇尾の曳航装置を自作

製作過程を写真で紹介します。

まず船体と同色のディテールを仕上げます。船体側面のラインをプラ板で再現、キットのヒケや隙間をパテで修正しました。前甲板は伸ばしランナーとプラ板、真鍮線を利用しました。手摺や水密扉は汎用エッチングパーツを使って実際の写真と比較しながら接着しました。

エアブラシで全体を塗装しました。初めは少し塗料の粒が荒く出てしまった感じがしましたが、重ね塗りを繰り返すことで均一な塗膜になったと思います。塗料はクレオスの暗灰色C608(旧SC18)です。

キットの煙突は中の管の数が合っていなかったことに加えて、全体的に丸みがありすぎる印象だったのでプラ板で自作しました。搭載艇を載せている台はプラ板と0.4mmの真鍮線と0.2mmのピアノ線で再現しました。

大まかな工作が完了したので、筆塗りでの塗装と並行してアンテナ類や壁にある装置などを実際の写真と見比べながらディテールアップを行いました。硬貨と比較するとサイズ感がお分かりいただけるかと思います。

艦底色や消火装置などのアクセントとなる色を塗りました。

側面の艇番号と艇尾の名前のデカールを貼りました。あとは、煙突間のディテール、ブリッジ横の羅針盤、双眼鏡、探照灯を設置して完成です。

以下、完成写真です。

 

<<写真準備中>>

 

反省点、改善点などです。

  • ブリッジ側面にある支柱の外側の手摺を先に接着してしまったので後から内側に支柱を接着する必要が出てきてしまった。初めに全体の工作内容を整理して手順を考える必要があった。
  • プラ棒の切断は模型専門誌を参考にしてノウハウを習得できたが、金属線を切断する際の末端処理はまだ改善の余地がある。
  • マストは全体の印象につながるので金属線などで自作できるようになりたい。
  • 製作途中の模型をほこりなどがつかないように保管する場所を作らなければならない。

 

掃海艦艇は甲板上のごちゃごちゃ感が魅力の一つですが、模型で再現しようとなると必然的に自作の割合が高くなり、工作のハードルが上がることがわかりました。また掃海艇は海上自衛隊保有する数が多く一般公開などで乗艦する機会の多い艦艇である一方で、海上自衛隊の掃海艇のプラモデルキットはこれまで「すがしま型」と「はつしま型」のみしか販売されてきませんでした。船体がFRPになって以降の掃海艦艇のキットが発売され、ますます現用小艦艇の人気が上がることを願ってこの記事を終わります。